メキシコペソ円(MXN/JPY)を買い増すとき、私は為替レートが安いか高いかだけでは判断していません。基準にしているのは、口座全体の有効証拠金が前回購入時からどれだけ変化したかです。保有Lot数に応じたLot係数で次の購入ラインまでの幅を調整し、条件に達した日に1Lotだけ追加します。
MXN/JPYを主力にしている理由や、運用上警戒しているリスクについては、「メキシコペソ円スワップを主力にしている理由とリスク」で整理しています。
※この記事では、MXN/JPYの1Lotを10,000通貨として記載しています。
このルールの目的は、底値を当てることではありません。相場観による迷いを減らし、口座の成長と口座余力を見ながら、長期的にスワップ収入を積み上げることです。
なお、Lot係数の計算方法は、保有Lot数に完全比例させる方式と0.5単位で区切る方式をシミュレーションで比較しています。一方、現在使っている上昇側+20,000円、下落側-50,000円という判定幅は、複数候補を比較して最適化した数値ではありません。この記事では、比較検討した部分と、今後見直す可能性がある設定を分けて説明します。
- 前回の購入直後に記録した有効証拠金を、次回判定の基準にする。
- 上昇側の購入ラインは「基準有効証拠金+20,000円×Lot係数」。
- 下落側の購入ラインは「基準有効証拠金-50,000円×Lot係数」。
- どちらかのラインに到達した場合、原則として1Lotだけ購入する。
- 購入は1日最大1Lotとし、連続購入による急激なポジション増加を抑える。
- 購入後の有効証拠金を新しい基準値として記録する。
- 独自の基準として、有効比率が400%未満の場合や、異常な値動き・スプレッド拡大時は買い増しを停止または見送る。
※上昇側+20,000円、下落側-50,000円の判定幅は、現時点の暫定設定です。複数候補を比較して最適化した数値ではありません。
このルールは私の口座と運用目的に合わせたものです。同じ数値をそのまま他の口座へ当てはめても、同じ結果になるとは限りません。
なぜ為替レートだけで判断しないのか
MXN/JPYが下がったときは、以前より安く買えるように見えます。しかし、保有ポジションが増えている状態では、同じ価格下落でも口座全体への影響が大きくなります。反対に、為替が上昇して含み益や累積スワップが増えれば、口座の余力も変化します。
そこで、価格だけではなく、評価損益や累積スワップを反映した有効証拠金を使います。口座全体の状態を基準にすることで、上昇時の余力拡大と下落時の価格低下の両方を、同じ仕組みの中で判定できます。
ただし、有効証拠金が判定ラインに達したことは、安全が保証されたことを意味しません。有効比率や、急変時のスプレッド、保有通貨全体の値動きは別に確認します。
上昇側と下落側の両方に購入ラインを置く理由
上昇側:口座余力の増加を買い増しに使う
為替上昇による含み益や日々のスワップによって有効証拠金が増えた場合、その増加を次の1Lotを持つ余力として使います。現在の上昇側判定は、基準有効証拠金に「20,000円×Lot係数」を加えた金額です。
下落側:価格低下時にも段階的に追加する
下落時は買値を下げられる可能性がありますが、同時に評価損も拡大します。そのため、上昇側より広い「50,000円×Lot係数」の間隔を置き、一度に増やさず1Lotずつ追加します。
ただし、下落したから無条件に買い続けるわけではありません。有効比率400%未満や急変時は買い増しを停止または見送り、口座防衛を優先します。
下落したから機械的に買えば安全、という意味ではありません。防衛開始後の具体的な対応は、「FX口座の防衛ルール」で詳しく説明しています。
Lot係数とは何か
Lot係数は、保有Lotが増えるほど次の買い増しまでの間隔を広げ、ポジションの増加速度を抑えるための倍率です。
保有Lot数が増えるほど、同じ金額の有効証拠金変化でも口座への意味は変わります。ポジションが大きくなった後も一定の20,000円・50,000円間隔で買い続けると、購入頻度が高くなりすぎる可能性があります。そこで、保有Lot数に応じて判定幅を広げるLot係数を使います。
Lot係数 = MXN保有Lot数 ÷ 40
計算結果は0.5単位で切り捨て、最低値を0.5とします。係数は購入前のMXN保有Lot数を基に計算します。
| 保有Lot | Lot係数 | 上昇側の幅 | 下落側の幅 |
|---|---|---|---|
| 20Lot | 0.5 | +10,000円 | -25,000円 |
| 40Lot | 1.0 | +20,000円 | -50,000円 |
| 60Lot | 1.5 | +30,000円 | -75,000円 |
| 80Lot | 2.0 | +40,000円 | -100,000円 |
| 100Lot | 2.5 | +50,000円 | -125,000円 |
たとえば40Lotなら係数は1.0ですが、60Lotでは1.5になります。保有量が増えるほど次の購入までの間隔も広がるため、ポジションの増加速度を段階的に抑えられます。
Lot係数は完全比例ではなく0.5刻み
Lot係数については、保有Lot数に完全比例させる方式と、0.5単位で区切る方式をシミュレーションで比較しました。
比較した範囲では、0.5刻みの方式はポジションの増加ペースや日額スワップなどの成長面でやや良い結果となった一方、防衛が必要になる場面では必ずしも有利とはいえませんでした。
大きな差が出たわけではありませんが、毎朝の判定で計算しやすいことも考慮し、現在は0.5刻み・切り捨て方式を採用しています。なお、このシミュレーションは一定の条件を置いた試算であり、将来の運用成果やロスカット回避を示すものではありません。
まだ検証できていないこと
一方で、現在のルールすべてをシミュレーションで最適化したわけではありません。特に、上昇側+20,000円、下落側-50,000円という判定幅は、現在の運用を開始するために設定した暫定ルールです。
この幅が最適なのか、もっと狭い方がよいのか、広い方がよいのかについては、まだ十分に検証できていません。そのため、今後は実際の運用データを蓄積しながら、必要に応じて見直します。このブログでは、最初に決めたルールを固定するのではなく、変更した場合にはその理由と結果も記録していきます。
実際の計算例
例として、購入後の基準有効証拠金が1,122,315円、MXN保有量が40Lotの場合を考えます。Lot係数は1.0です。
| 項目 | 計算結果 |
|---|---|
| 基準有効証拠金 | 1,122,315円 |
| MXN保有Lot | 40Lot |
| Lot係数 | 1.0 |
| 上昇側購入ライン | 1,122,315円+20,000円×1.0=1,142,315円 |
| 下落側購入ライン | 1,122,315円-50,000円×1.0=1,072,315円 |
毎朝の確認時に有効証拠金が1,142,315円以上、または1,072,315円以下で、停止・見送り条件にも該当しなければ1Lot購入します。購入後は、その時点の有効証拠金を次の基準値として記録します。
毎朝の判定手順
- 口座画面から有効証拠金、有効比率、MXN保有Lot数、スプレッドを確認する。
- MXN保有Lot数からLot係数を計算する。
- 前回購入後の基準有効証拠金から、上昇側・下落側の購入ラインを計算する。
- 現在の有効証拠金が、どちらかのラインへ到達しているか確認する。
- 有効比率400%未満、急落、異常なスプレッド拡大などの停止・見送り条件を確認する。
- 条件を満たす場合のみ1Lot購入する。購入は1日最大1Lotとする。
- 購入後の有効証拠金、保有Lot数、購入価格を記録し、基準値を更新する。
このルールで防げないこと
- MXN/JPYや他の保有通貨が想定以上に下落すること。
- 政策金利の低下などにより、受取スワップが減少または支払いへ転じること。
- 急変時にスプレッドが拡大し、想定した価格で取引できないこと。
- Lot数の増加によって、将来の損失額や必要証拠金が大きくなること。
- シミュレーションと実際の相場が異なる経路をたどること。
買い増しルールは売買判断を統一するための仕組みであり、損失をなくす仕組みではありません。買い増しよりも口座の継続を優先し、停止基準に触れた場合は防衛ルールへ切り替えます。
まとめ
私のMXN/JPY買い増しルールは、為替レートの予想ではなく、有効証拠金の変化を基準にしています。上昇側と下落側に購入ラインを置き、保有Lotが増えるほどLot係数で間隔を広げ、条件到達時も1日1Lotまでに制限します。FX・株・ブログを含むプロジェクト全体の資金配分は、「収益の再投資方針」で説明しています。
Lot係数の0.5刻み方式は、完全比例方式とのシミュレーション比較と、毎朝の判定で計算しやすいことを踏まえて採用しました。一方、+20,000円/-50,000円の判定幅は比較検証した最適値ではありません。比較検討した部分、運用上決めた部分、今後見直す部分を分けて残すことも、このブログで重視している運用記録の一部です。
今後も実際の運用結果を蓄積し、判定幅や停止基準を変更する必要があれば、理由と影響を公開します。
この買い増しルールを含む、プロジェクト全体の運用方針は「毎日1万円プロジェクトの運用ルール」にまとめています。

